白隠禅師や仙厓義梵の書画で知られる達磨大師は、新城がこれまでにも文字以外で頻繁に制作して いるモチーフです。今回製作されたシルクスクリーン作品は、昨年京都・光明院で展示された「1作品60秒内」という条件を自らに課した22点の連作の一つが使われています。いかに作為を消し、即興的に表現できるか試みたドローイングシリーズです。禅僧である祖父を持ち、幼少期から禅や仏教文化に影響を受け て育った新城は「達磨の面をした現在の自画像だ」と自ら話します。自ら描いた達磨に見る–見られる関係を発生させ、さらに自己を見つめた問いを連続して見ることができます。