Gallery
むすう
Moeco Yamazaki Solo Exhibition
2022.10.01 - 11.20
Closed on Mondays
Opening Reception
10.01[ Sat ] 17:00~20:00
PALI GALLERYでは10月1日から11月20日まで、山﨑萌子の個展「むすう」を開催いたします。山﨑は、当ギャラリーが新たに設立したアーティスト イン レジデンス プログラム、PALI GALLERY AIR の第1回アーティストになります。
与那国島と東京に活動拠点を持ち、これまで写真表現に重きを置いてきた山﨑は、近年、写真を映す紙の制作にも精力的に取り組んでいます。今回のPALI GALLERY AIRでも写真撮影と紙漉きの両技法を行き来しながら滞在制作を行いました。
タイトル「むすう」は宮古⻄原の方言で結ぶを意味します。結ぶは産霊(ムスヒ)を語源とし、神道では万物を産み出す霊妙な力とされてきました。撚る、捻る等の動作から生まれる紐や綱を、人々は神秘な存在として崇めることで神の加護を受けたと言います。
山崎は宮古島滞在中、旧盆に豊穣や雨乞いを祈る祭りとして行われる大綱引きを体験します。キャーン(和名シイノキカズラ)を採取し、東里と西里に分かれて編んだ2本の大綱の先端を結び、東西に分かれて引き合います。勝負が終われば先端部を切り落とし東⻄の御嶽に供えます。また、宮古上布を織る島の女性達と畑や海で時間をともにし、苧麻を撚る苧績みや藍建を学びながら、繊維を藍に染め縄を綯いで紙を漉きました。
これらの体験から本展のタイトル「むすう」という言葉が浮かび上がりました。「二方が結合して生命を産み出す」すべての物作りの根源と言える「むすう」。その身体的行為を通して、人や物、島を繋ぎ合わせる作業を、山﨑はここパリ(宮古方言で畑の意)で実践しているのではないでしょうか。
本展では宮古島での作品の他に、彼女が拠点とする与那国島で制作された平面・立体作品も展示いたします。与那国島に生息する野生馬の糞や島の植物を用いて制作された紙に、山﨑の切り取る馬の姿が映し出されます。
むすう
Moeco Yamazaki Solo Exhibition
会期:2022年10月1日( 土 ) - 11月20日( 日 )
時間:12:00 - 19:00
定休日:月曜日
オープニングレセプション:17:00-20:00
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山﨑 萌子 Moeco Yamazaki
2014年武蔵野美術大学卒業。現在は与那国島と東京を拠点に活動。被写体と紙の関係性を追求す る中で写真を印刷する紙を制作しはじめる。沖縄の伝統的な琉球紙の技術を用い撮影しに行く土 地の植物や草食動物の糞を原料とし平面・立体作品・インスタレーションを制作。主な展示に、 「Sinking」MIDORI.so Gallery 2019、「神々の肖像」ZEIT-FOTO kunitachi 2021、「ほどく」 横浜赤レンガ倉庫 2022 等
PALI GALLERY AIR
PALI GALLERYではアーティストインレジデンスプログラム、PALI GALLERY AIRを実施しています。本プログラムを通じて、宮古の文化や歴史に触れながら作品制作や発表の機会を提供し、国内外問わず異なるルーツを持つアーティストが地域の人々との交流を経て、力強い文化・芸術を発信することを目的としています。
アーティストインレジデンス=アーティストが一定の期間、その土地に滞在し常時とは異なる文化環境で作品制作や表現活動を行う事。